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スペイン発、戦慄のサイコスリラーコミック
『ガウディの幽霊』を翻訳出版したい!

「ほんやく世界旅」の小島ともみさんから応援メッセージが届きました!

海外文学をこよなく愛し、スペイン語圏のホラー小説にも注目されている小島ともみさんが『ガウディの幽霊』翻訳出版プロジェクトに応援メッセージを寄せてくれました!
 


神保町の一棚店主制書店PASSAGEで、翻訳者の柴田元幸さんの棚を管理し、その売上を元に世界のさまざまな言語の翻訳者さんを紹介する「ほんやく世界旅」というオンラインイベントを細々と運営しています。その第3回のゲストとしてお迎えしたのが、サウザンコミックス編集主幹の原正人さんでした。フランスの漫画、バンドデシネの奥深さを語っていただき、さらには、クラウドファンディングで世界の漫画の翻訳出版を目指すという壮大な取り組みをお伺いし、瞠目。原さんが掲げるのは、“読みたい人にまっすぐ届ける”翻訳出版。そして、その“読みたい人”を情熱で巻き込みながらどんどん広げていく。これぞクラウドファンディング時代の新しい物語の届け方、と思わされました。 
 
その原さんが記念すべき10冊目として挑むのは、スパニッシュホラーの「ガウディの幽霊」。“バルセロナ・コミックフェアで最優秀国民作品賞を受賞した注目作”とありますから、面白いのは間違いない。タイトルと絵柄にゾクッと惹かれ、クラウドファンディングの紹介文を読み終えた瞬間、検索魔となって情報をかき集めはじめた自分に気づきました。バルセロナを舞台に、ガウディ建築と殺人事件とゴースト、という組み合わせ。美しく、しかしどこか不自然で息苦しいガウディ建築が、不穏で不可視な恐怖と絡み合っていく。目で見えるはずのものが、逆に目を惑わせてくる……そんな世界を想像してしまいました。勝手な妄想がどんどん膨らみ、知らぬ間に“読まずにいられるか!”という気持ちになっていました。
 
本好き、とりわけガイブン好きの皆様におかれましては、最近のスペイン語圏のホラー小説が“じわじわとヤバい”のはご存じのことと思います。マリアーナ・エンリケス「寝煙草の危険」で味わうあの気まずい不条理、サマンタ・シュウェブリン「救出の距離」が醸す静かで確かな毒気。いまやホラー界の新しい火薬庫と言っていいスペイン語圏文学は、生者と死者、罪と贖罪の境界が曖昧なまま迫りくる不穏さが魅力、などと私ごときが語っては、釈迦に説法この上ないわけですが……。
 
ここからは、やや私のリサーチした妄想が入り混じりますので、間違っていたらご容赦ください――「ガウディの幽霊」は、その“境界崩壊系”の恐怖がガウディ建築の奇怪なフォルムと融合した、まさに絶品のサイコスリラー。舞台となるのはバルセロナ、あのガウディの奇妙で有機的な曲線が、次々と発生する殺人事件の現場という不名誉な(?)役回りで、あなたの神経をじわじわと削りに来ます。骨組みが生々しいサグラダ・ファミリア、眩暈を誘う歪みのカサ・ミラ、骸骨風の装飾がこれ見よがしのカサ・バトリョ……あの美しい建築が恐怖の装置になるなんて、なんて罰当たりで最高な展開でしょう!


『ガウディの幽霊』に登場するガウディの建造物。
サグラダ・ファミリア(左)、カサ・バトリョ(右上)、カサ・ミラ(右下)
 
しかも、作画は『スパイダーマン:スパイダーバース』でアカデミー賞を獲ったヘスス・アロンソ・イグレシアス。あのトリッピーな色彩と絶妙に歪んだ視界がホラー漫画の世界で炸裂したら? 想像しただけで嬉しさの身震いがとまりません。
 
そして、ホラー映画好きとしては、どうしても思い出してしまう作品があります。アレックス・デ・ラ・イグレシア監督の『ベネシアフレニア』――あの色彩と血の饗宴、そして突き抜けた演出。あるいはセルヒオ・G・サンチェス監督の『マローボーン家の掟』――ほとんど音も立てず忍び寄る気配の恐怖。「ガウディの幽霊」の情報を追いながら、私はこの両作の極を行き来するようなイメージを勝手に抱いてしまいました。まだ読んでもいないのに、映画の予告編を観ただけで“あ、これは自分の領域だ”と確信してしまう、あの感覚。「ガウディの幽霊」は、重層的で繊細な恐怖と、唐突に訪れる劇的展開――その緩急がきっと、視覚的なスリルとともにページをめくる手をとめさせないはずです。
 
私自身、翻訳という“異世界の扉”を日々ノックする身として、私たちの世界を豊かにしてくれる、このプロジェクトの成功を心から願っています。ホラー映画ファン、怪談マニア、建築フェチの皆さん、この作品を手に震える夜を一緒に過ごしましょう!……いや、そもそもこのページを見つけたのも、もしかしたら“あちら側”からの導きかもしれませんね?
 


小島ともみ 
翻訳・映画宣伝。映画パンフレットを偏愛する自主団体、映画パンフは宇宙だ!(PATU)メンバー。「アリ・アスター短編読本」ほか編集。
https://pamphlet-uchuda.com/about/
 


サウザンコミックス編集主幹の原が出演した「ほんやく世界旅」のYouTubeはこちら。
 

MONKEY基金企画「ほんやく世界旅」
第3回「色づき息づく魔法の世界」ゲスト:バンド・デシネ翻訳者・原正人さん
聞き手:豊永真美さん(ALL REVIEWS友の会)


『ガウディの幽霊』翻訳出版クラウドファンディング終了まであと17日! 
小島さんが熱い期待を寄せてくださったいる本書の日本語版を実現するためにぜひご支援よろしくお願いします!

 

2025/04/03 13:07