「時間を味わう、最高の休日」
誰でも簡単に扱え、本格的な炭火料理が楽しめる七輪「YOKA SHICHIRIN++」

【クラファン終了後コラム】プロダクトを作るということ

こんにちは。YOKAの角田です。

今回はプロダクトを作るってどういうことなんだろう?というコラムです。

デザイナーといってもいろいろありまして、製品の企画を担う人、「形」を作る部分を担う人、販売の部分を担う人、様々な局面でデザイナーは存在し、それぞれの力を発揮しています。

僕は会社員時代ゲームデザイナーでした。小さい会社にいたので、パズルゲームの企画からキャラクターデザインまで手掛けさせてもらい、本当に楽しい時代を過ごしたのですが、1つだけ不満だったのが「これで、どう商売になっているのか?」という部分に触れさせてもらえなかったことでした。
 


ある課題があり、スケジュールがあり、夜遅くまでその達成のために働く。そしてそれなりに給料が出ている。でもその給料はどういうところからどうやって出ているのか?それが分からないままやっていることに、すごく居心地の悪い感覚を抱いていました。

そしてやがて社内で別プロジェクトが立ち上がり、僕を中心としておもちゃ作りができる環境が出来上がりました。(というと聞こえは良いのですが、要するに実験的な1人だけの部署です)

でもそこで大きかったのが、モノづくりを、企画からデザイン、製造、そして大事な「販売」まで一貫して見させてもらうことができた、というところでした。

自分で企画し、製造を計画し、営業もする中で、今までずっと違和感を持っていた「どうやって給料は生まれてくるのか?」という部分がどうなっているのか、ようやく分かったのです。

つまり、お金の流れというものがようやく自分の中で「輪」となって完成したんですね。

ゲームやおもちゃを「どれだけ楽しんでもらったか」。もう少し客観的にビジネス的に言うと「世の中にどれだけ価値を提供したか」を数値化したものがお金であり、それを最大化する(=決して溜め込むことではなく、流れを太くする)ためには販売だけでなく、大もとの企画や形の部分にも大きく力を入れなければいけない。

「企画」→「形づくり」→「製造」→「販売」→「企画に戻る」

この輪の中を、滞りなくお金を「流す」ということ。それが仕事なのだ!と気付いたのです。

この「全体をデザインする」ということに魅せられてしまった僕は、独立して会社を運営する中でも、1人体制でモノづくりをしています。

さて、そんな僕が当時作っていたのは工作おもちゃで、パイプロイドという名前です(検索してみてください)。工作おもちゃは半完成品であり、それを作る楽しさを提供するというのがこの商品の役割です。つまり、キャラクターをデザインし、製品を提供して終わりではなく、その先に「体験」があって、それを終えてようやく完成となります。

体験は人それぞれ。工作の場合はそれを作った人の手が入っているわけで、完成したものに1つとして同じものはありません。これが本当に楽しくて。

こういう製品を僕は「創造あそび」と勝手に呼んでいるのですが、それは作るものがアウトドア製品になっても、実は一貫して持っているコンセプトなのです。

そして七輪の話。 僕は決して「かっこいい七輪」というだけのものを提供したいわけではありません。これから七輪を手にしていただいた皆さんの手に渡っていき、様々な料理が生み出されていくわけですが、それを僕は「製品と使い手のコラボレーション」と呼んでいます。

コラボした結果が出る、そこまでが僕の責任範囲というか、見据えている場所なのです。 だからこそ、もう既に設計が終わっているこの七輪を、未だに毎日使い倒し、実験を重ねているんですよね。

何が言いたいかというと、プロダクトをデザインするということは、目の前に製品を存在させて終わりではなく、その先にある「使用した結果」「そこで生まれた感覚」も想像しながら作るということであり、そこに最良の結果をもたらすように努力を重ねる、ということなのです。

皆さんとのコラボレーションの結果生まれたものを僕は本当に楽しみにしています。 まだお届けにお時間をいただきますが、ぜひ楽しんでいただければと思います!

2025/02/11 13:27